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あそこから神が見ている、
​   この村を守るために ──

​巨匠 タル・ベーラに影響を受けたペルーの奇才
オスカル・サンチェス・サルダニャ、ロベルト・フルカ・モッタ初長編監督作品

​『マタインディオス、聖なる村』

イントロダクション
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その地域に暮らす民衆によって描かれた村。

慣習と価値観にリアリティをよぶシネ・レヒオナル(地域映画)の真髄

監督と脚本は、本作が初長編作品となるオスカル・サンチェス・サルダニャ監督とロベルト・フルカ・モッタ監督。2016年、ペルー文化庁が管轄するDAFO(Direcciíon Audiovisuali,la Fonografía y los Nuevos Medios)シネ・レヒオナル映画コンクールに入賞。第22回リマ映画祭に出品され、2018年のベストペルー映画に選ばれた。ペルーの映画界を牽引する映画運動のシネ・レヒオナル(地域映画)が日本初公開。
  撮影は、オスカル・サンチェス監督の故郷である、リマ見山岳部のワンガスカルで行われた。司祭役の俳優以外は、ワンガスカルに暮らす村人たちが演じている。監督たちは村人たちと共に過し、対話したり、笑ったり、不満を言い合ったり、お酒を飲んだり、時には亡くなった方の埋葬にも参加しながら信頼関係を築いていった。そのため、ペルー山岳部の慣習とカトリック信仰が入り混じった価値観がありありと描き出さ、ドキュメンタリー性を内包した物語となった。さらに、モノクロ風の映像が民衆の苦悩と困惑を詩的に語る効果を生んでいる。

ペルーのシネ・レヒオナル(地域映画)

ペルーの首都リマ以外の地域で、その地域を拠点とする映画作家やプロダクションによって制作される映画を指す。娯楽的なジャンル映画から作家性の強いアート映画までタイプは様々だが、いずれの作品もその地域独自の文化や習慣を織り込んでおり、都市圏一極集中ではない多元的なペルー映画を構成している。

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先住民の慣習とカトリック信仰が入り混じった生活の中で、
民衆の苦悩と困惑を描く物語。

ペルー、山岳部のある集落。家族を失った悲しみを終わらせるために、村人4人が村の守護聖人・サンティアゴを称える祭礼を計画する。その祭礼は、守護聖人を満足させるために、完璧なものでなければならない。家族を失い、嘆き悲しむ苦痛からの解放を聖人に祈るのだった。祭礼の準備は順調に進むのだが、予期せぬ出来事によって、自身の信仰と、守護聖人による庇護の力に疑問をいだいていく…。

ストーリー
監督プロフィール
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OSCAR SÁNCHEZ SALDAÑA

製作・監督・脚本…オスカル・サンチェス・サルダニャ

1975年、ペルー・リマ県ヤウヨス郡ワンガスカル生まれ。ペルー国立演劇高等学校卒、ペルー国立サン・マルコス大学芸術教育学学士。独立系映画製作者、アーティスト、演技指導者。テレビシリーズの演劇や脚本の他、俳優、舞台監督など幅広い芸術活動を行う。国立演劇高等学校で、演劇教育学も教えている。

ROBERT JULCA MOTTA

監督・脚本・編集…ロベルト・フルカ・モッタ

1975年、ペルー・リマ生まれ。ペルー国立演劇高等学校および国立サン・マルコス大学大学院で学ぶ。編集や写真の分野でも評価を得ている学際的アーティスト。俳優、監督、パフォーマーおよびコンセプチュアル・アーティストとして、幅広い芸術活動を行う。

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オスカル・サンチェス監督 Q&A

── 今作が長編初監督作になりますが、初作品として本作をテーマに選んだのは何故ですか?

はい、『マタインディオス、聖なる村』は私たちが脚本家、監督、プロデューサーとして初めて手がけた作品で、制作は7年かかりました。このテーマを選んだのは、私たちが傷つけられた社会であるという、拭えない固定観念を問い直したかったからです。

── 本作のモティーフ(アンデスの信仰や暮らし)はどこから得たのですか?

この映画には二つの主要なテーマがあります。
 1つは私たちペルー人が抱えている歴史的な痛みです。500年以上も引きずっている痛みで、スペインによる暴力的な侵略によって生じた痛みであり、こんにちも私たちの社会のいたるところでさまざまな形で現れている痛みです。
 もう一つは文化の変容過程です。支配的な文化と被支配的な文化が不平等な形で出会った結果です。支配的と言うのは、力と暴力によって押し付けられた侵略的な文化だからです。被支配的な文化のほうは、侵害され征服されたものの、服従という手段によって初期の介入に立ち向かい、ペルーのアンデスでこんにちまで続く文化と宗教の融合を生み出しました。

── 影響をうけた映画作家(監督)や作品はありますか?

はい、黒澤明監督本人の個人的な恐れを告白した映画『夢』と、タル・ベーラ監督によるプロの役者を使わないドキュメンタリー・フィクションのアイデアです。これらが『マタインディオス、聖なる村』を創作するうえで貴重なインスピレーションとなりました。

── 日本でペルーのシネ・レヒオナル(地域映画)が見られるのは貴重なことです。映画をご覧になる方へ一言メッセージをお願い致します。

『マタインディオス、聖なる村』は私たちが自分自身について考え、私たちを脆くしている社会構造について考え、それを壊して取り除く方法を見つけるために必要な映画です。
 『マタインディオス、聖なる村』は不遜な映画で、象徴的で、戦士のように反抗的な映画です。割れにくいナットのようなものですので、辛抱強くご覧いただけますよう、お願いします。
 高く評価していただき、ありがとうございます。
 愛を込めてハグを送ります。

インタビュー
ショップ
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劇場情報
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予告編
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パリ・ペルー映画祭2021審査員特別賞(フランス)
パスト国際映画祭最優秀アンデス長編映画賞2020(コロンビア)
国際光展2019写真部門入賞(コロンビア)
フフイ高地国際映画祭2019審査員特別賞(アルゼンチン)
カタルーニャ・ラテンアメリカ映画祭2019最優秀初監督作品賞(スペイン)

ソーシャル・ワールド映画祭2019ベストサウンドトラック(イタリア)
サン・ホセ国際映画賞2019最優秀作品賞(コスタリカ)
リマ大学映画週間2018フィクション部門入賞(ペルー)
第22回カトリカ大学・リマ映画祭2018最優秀作品賞(ペルー)

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配信サービス

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コメント
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イメージの中で、村の人たちの佇まいは土地の風景の様に等しい。
そのことに豊かで穏やかな気持ちになる。
劇中、画面をいっとき支配する異物のイメージは貧しい。
村の人たちの顔つきと比べるとのっぺらぼうのよう。

私はこの映画を、どんな顔して観てただろうか。

—— 小田香(映画作家/『セノーテ』)

村人たちを護ることもなく、捧げうる限りのものを差し出しても、僅かな慰めを与えることしかしない、守護聖者。
嘆き、抗議しつつも、やがては受け容れざるを得ないだろう人々を飛び越えて、躊躇いなく反乱を起こせる者だけが、こちら側を覗き見る神の目を見返せるのかも知れません。

—— 松崎文音(ペルー、アヤクーチョ地方民謡歌手)

「ペルーの経験した被支配の歴史を知ってください」という直接的なメッセージはこの映画のなかに何ひとつ存在しない。だけど、山岳部で暮らす村人の顔に刻まれた深い皺、"マタインディオス"の像、無邪気さを暴力的にふりまく子供たちを目にするにつれ、この土地が経験した歴史の痛みと怒りを、胸の深いところで受け止めようと試みる自分がいた。

—— 佐々木美佳(映画監督/文筆家)

公式Twitterはこちら

  • Twitter

【出演】カルロス・ソラノ、ナタリー・アウレス、グリセリオ・レイノソ、ホセ・ビバス、ファウスティナ・サンチェス
【監督・脚本】オスカル・サンチェス・サルダニャ、ロベルト・フルカ・モッタ
【撮影】マルコ・アラウコ
【美術】カルロス・プリド
【配給】ブエナワイカ 【後援】在日ペルー大使館 【協力】 日本ペルー協会
  2018/ペルー/ケチュア語・スペイン語/77分/原題:MATAINDIOS
  © LA TROPILLA DE OBRAJEROS EIRL

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